IT業界は、役に立てる・専門的知識を身につけられる・将来性があると人気が高まっています。30代のIT業界へ転職した方の割合は、IT人材白書2024によると27.7%とのことでした。そんなIT業界への転職に関して、「30代だと厳しいのではないか」「転職を成功させるためにはどうしたら良いのだろう」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、IT未経験の30代は転職できるのか、転職する際の流れや成功させるためのポイントなどを紹介します。また、30代未経験でも目指せるIT職種もあわせて解説します。
この記事を読めば、IT未経験の30代が転職できるのかを知れるので、転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社STAR AI 代表取締役
吉田 学
フリーランスエンジニア
菊地拓也
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IT未経験の30代で転職するのは無理？
「30代でIT未経験だと転職は難しいのでは？」と不安に感じる人は少なくありません。はじめに、30代前半と後半にわけて、難易度を解説します。
30代前半
30代前半であれば、未経験からでもIT業界への転職は十分に可能です。社会人経験があることに加えて、まだ柔軟性がある年代と見なされるため、「ポテンシャル採用」や「未経験歓迎」といった求人への応募も比較的通りやすい傾向にあります。
また、30代前半で転職する場合、将来的なキャリア形成にも余裕があり、スキルアップや昇進を目指しやすいというメリットもあります。プログラマーやインフラエンジニアなど、基礎的な技術から学べる職種を選べば、着実にステップアップできるでしょう。
30代後半
30代後半になると、未経験での転職はやや厳しくなる側面もありますが、決して不可能ではありません。即戦力としての期待が高まる一方で、これまでの社会人経験や業務知識を活かせる職種への転職が現実的な選択肢となります。IT営業やカスタマーサクセス、プロジェクトマネージャー補助といったポジションでは、対人スキルやマネジメント経験が強みになります。
ただし、最低限のITスキルを身につけ、実務に早期に順応できる準備も必要です。自己投資として資格取得やオンライン学習を通じて、転職市場での競争力を高めることが、成功の鍵になります。
IT未経験の30代が転職する際の流れ
IT未経験の30代が転職する際の流れは、以下のとおりです。
- 携わりたい職種を決める
- 職種に応じたスキルを身につける
- 転職活動をする
未経験からIT業界に転職する場合、計画的にステップを踏むことが重要です。それぞれ詳しく解説します。
1.携わりたい職種を決める
IT業界といっても職種は、エンジニア・IT営業・Webマーケター・インフラ運用など多岐にわたります。まずは、自分がどのような働き方を望むのか、どんな業務に興味があるのかを整理し、それに合った職種を選ぶことが大切です。職種によって求められるスキルや将来性も異なるため、キャリアの方向性を明確にすることが、効率的な転職活動につながります。
2.職種に応じたスキルを身につける
希望する職種が決まったら、必要なスキルを学び始めましょう。プログラマーならHTMLやCSS・JavaScript・Pythonなどの基礎言語、インフラ職ならネットワークやサーバーの知識が求められます。
最近では、オンラインスクールや動画学習、書籍など学習ツールも豊富に揃っており、働きながら学習を進めることも可能です。30代は「成長意欲があるかどうか」が問われるため、計画的に時間を確保し、目に見える成果を作ることが大切です。技術だけでなく、実務で必要なコミュニケーション能力や課題解決力もあわせて意識すると、転職時の評価につながります。
3.転職活動をする
スキルを身につけたら、いよいよ本格的に転職活動を開始します。求人サイトや転職エージェントを活用し、「未経験可」「研修あり」「ポテンシャル採用」などのキーワードで求人を探しましょう。
30代が転職する場合は、自己アピールの仕方が非常に重要です。これまでの職歴や培ったスキルがどのようにIT業界で活かせるのかを明確に伝える必要があります。また、履歴書・職務経歴書の書き方、面接での受け答えなどの対策も欠かせません。
企業選びでは、未経験者へのフォロー体制や教育制度の有無を確認し、長く安心して働ける環境を選ぶようにしましょう。
IT未経験の30代でも転職で目指せる職種
IT未経験の30代でも目指せる職種は、以下のとおりです。
- プログラマー
- SE
- テストエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- バックエンドエンジニア
- サーバーエンジニア
- アプリケーションエンジニア
- フィールドエンジニア
- データサイエンティスト
- フルスタックエンジニア
- プロジェクトマネージャー
それぞれ詳しく解説します。
プログラマー
プログラマーは、主にWebサイトやシステム、アプリなどのプログラムを記述する仕事です。未経験からの転職者にも門戸が広く、HTML・CSS・JavaScript・Pythonなどの言語を独学やスクールで学ぶことで目指せます。
30代でも学習意欲を示し、ポートフォリオを作成することで採用される可能性が高まります。コーディングの基礎力を身につければ、キャリアアップにもつながるのが魅力です。
SE（システムエンジニア）
システムエンジニア（SE）は、クライアントの要件を聞き取り、設計や開発工程を管理する職種です。技術スキルに加え、論理的思考やコミュニケーション能力も求められます。
30代未経験であっても、前職での業務改善やマネジメント経験がある方はスキルを活かせます。プログラミングの基本を理解し、全体像を把握する力を磨くことが、SEとしての第一歩です。
テストエンジニア
テストエンジニアは、開発されたシステムやアプリケーションが正しく動作するかを検証する職種です。専門的な開発スキルよりも、ミスを見逃さない観察力や正確性が求められます。IT未経験者でも入りやすく、検証作業を通してITの基礎を学べる点が魅力です。
30代であっても、丁寧な仕事ぶりや論理的なチェック能力が評価されるため、着実にステップアップできる職種となっています。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webサイトやアプリのユーザーが直接操作する部分を設計・実装します。HTML・CSS・JavaScriptなどの言語に加え、ReactやVue.jsといったライブラリ・フレームワークの理解も求められる職種です。
視覚的なデザインに興味がある方に向いており、30代からの転職でも学習と作品作りで実力をアピールできます。ポートフォリオの充実が採用の鍵となります。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、データベースやサーバーとの連携を担う職種で、アプリケーションの裏側を支える存在です。PHP・Ruby・Python・Javaなどの言語を使用し、ユーザーが見えない部分を実装します。
業務処理のロジックを組む力が必要であり、論理的な思考が得意な方に適しています。未経験からの挑戦でも、正確な知識と学習の姿勢があれば採用されやすいのが特徴です。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、Webサービスやアプリが安定して稼働するためのサーバー環境を構築・運用する専門職です。Linuxの操作スキルやネットワークの知識が求められます。
資格取得（LPICなど）を通じてスキルを証明できれば、未経験でも転職可能です。インフラ系エンジニアは人手不足のため、30代の転職者にも比較的チャンスが多く、長期的なキャリア形成に向いています。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、スマホアプリや業務系ソフトウェアの開発を行う職種です。iOSやAndroid向けにはSwiftやKotlin、業務系ではJavaやC#などのスキルが必要となります。
ユーザーの使いやすさを意識した設計が求められるため、UI/UXに興味がある方にも適しています。未経験からでもアプリを作成し、実績として提示できれば30代でも十分に採用を目指せます。
フィールドエンジニア
フィールドエンジニアは、顧客先に出向いてハードウェアの設置やメンテナンス、トラブル対応を行う職種です。ITスキルとあわせて、コミュニケーション力や柔軟な対応力も重要となります。
30代で営業経験や接客経験がある方にとっては、そのスキルを活かせる職種です。資格取得や製品知識を習得すれば、専門性を高めて長く働ける分野でもあります。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、大量のデータを分析し、ビジネスの課題解決や戦略立案に活かす職種です。統計学、プログラミング（Python、Rなど）、データベース知識が求められます。
30代未経験からでも、数学的思考力や業務理解力を活かせる場面が多くあります。近年はオンラインでの学習環境も充実しており、基礎からスキルを習得すれば十分に挑戦可能な職種です。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアは、フロントエンドとバックエンドの両方を担当する幅広いスキルを持つエンジニアです。小規模な開発現場では特に重宝されており、Webアプリの設計から実装まで一貫して対応します。
30代で未経験の場合は、まずは1つの分野から始めて徐々にスキルの幅を広げることが大切です。将来的に独立や高単価案件を目指すこともできる職種となっています。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトの計画・進行管理・品質管理・納期管理などを担う職種です。高いマネジメント力とコミュニケーションスキルが求められます。
前職で管理職やチームリーダーの経験がある方は、大きな強みとなるでしょう。技術的な知識も必要ですが、IT全体の理解と折衝能力を武器に活躍できる可能性が十分にある職種です。
IT未経験の30代が転職する際の注意点
30代で未経験からIT業界への転職を希望する場合、若年層とは異なる視点で評価されることを理解しておくことが重要です。特に重視されるのは、社会人としての基礎スキルや業務遂行力、転職理由の明確さです。技術習得への熱意や学習継続の姿勢も重視されます。
また、実務未経験であることを補うために、事前にITの基礎知識やスキルを身につけ、応募先の業界や職種に関する理解を深めておくことが重要です。
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IT未経験の30代でも転職を成功させるためのポイント
30代未経験からIT業界へ転職するには、準備と戦略が不可欠です。将来のキャリアプランを明確にし、必要なスキルと知識を着実に身につけていくことが、転職成功への近道です。
ここからは、IT未経験の30代でも転職を成功させるためのポイントを紹介します。
将来のキャリアプランを練る
転職活動の第一歩として、数年後にどのようなキャリアを築きたいかを考えることが重要です。開発職を目指すのか、マネジメント職を志すのかによって、必要となるスキルや学習内容が大きく異なります。目的を定めることで、転職活動の軸がぶれず、的確な努力が可能になります。
ITの基礎知識を身につける
未経験からIT業界を目指す場合、業界の構造や基本用語、ITの仕組みを理解しておくことが必要です。ハードウェアとソフトウェアの違いや、ネットワーク・データベース・セキュリティなどの基本概念は、面接でも頻出のテーマです。
また、IT業界には独特の用語や職種が存在するため、書籍やオンライン学習を活用して、身につけておく必要があります。基礎がしっかりしていれば、応用も効きやすくなるため、しっかりと基礎知識を身につけるようにしましょう。
プログラミングに関する知識を身につける
プログラミングスキルは、IT業界で働くための大きな武器となります。JavaやPython・JavaScriptなどの言語を学ぶことで、Web系やアプリ開発、データ処理などの仕事に活かせます。実務ではコードを書く力だけでなく、仕様を理解して設計に落とし込む力も求められます。
そのため、未経験の場合は、文法や構文の基礎から覚えるのがおすすめです。ここからは、IT未経験の30代がプログラミングのスキルを身につける方法について解説します。
独学
独学でも十分にスキルは習得可能です。書籍や動画、学習サイトを活用すれば、費用を抑えつつ学べます。学習手順については以下の記事をご覧ください。
プログラミングスクール
学習を短期間で効率よく進めたい場合は、プログラミングスクールの利用も検討しましょう。カリキュラムが体系的に整備されており、講師のサポートを受けながら学習できます。30代からの転職を目指すなら、就職支援付きのスクールを選ぶことで、転職成功率が高まります。
なかでも「ユニゾンキャリア」は、就職・転職サポート付きの無料で利用できるITスクールです。未経験からエンジニアへの転職支援に強みを持っており、30代の受講者も多数活躍しています。無料カウンセリングを実施しているので、気になる方は問い合わせしてみてください。
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IT未経験の30代の転職に役立つ資格を取得しておく
資格の取得は、知識の証明として転職活動を有利に進めるために効果的です。未経験者にとっては、学習のモチベーション維持にも役立ちます。業務に直結する資格を選べば、現場で即戦力として期待されやすくなるでしょう。
ここからは、IT未経験の30代の転職に役立つ資格を紹介します。
ITパスポート
ITパスポートは、ITの基礎的な知識を証明する国家資格です。情報セキュリティやネットワーク・経営戦略・ITサービスマネジメントなど、幅広い分野の基礎を網羅しており、IT未経験者に最適です。難易度もそれほど高くなく、独学でも合格可能です。履歴書に記載することで、ITへの理解があることを企業にアピールできます。
システムアーキテクト
システムアーキテクト試験は、高度な設計スキルが問われる国家資格で、難易度は非常に高いですが、長期的にIT業界で活躍したい人にとっては取得を目指す価値があります。特に、プロジェクトマネージャーや上流工程を担当したい人におすすめです。実務経験が前提とされることも多いため、キャリアアップのためのステップとして活用しましょう。
基本情報技術者
基本情報技術者試験は、ITパスポートより1段階上の国家資格です。プログラミング・データベース・ネットワークのほかにも、アルゴリズムなど実務で必要な知識を身につけられます。企業の中でも評価されやすい資格であり、エンジニアを目指すなら取得しておきたい資格の1つです。計画的な学習が必要ですが、独学でも十分に合格できる可能性があります。
MOS（Microsoft Office Specialist）
MOS（Microsoft Office Specialist）は、Microsoft社のWord・Excel・PowerPointなど、オフィスソフトの操作スキルを証明する資格です。IT業界に限らず、あらゆる業種での業務効率化に役立ち、即戦力としての評価を得やすくなります。
資料作成・表計算・プレゼン資料の作成といった業務は多くのIT企業でも日常的に発生するため、IT未経験でもMOSを取得しておくことで転職に役立ちます。
Javaプログラミング能力認定試験
Javaプログラミング能力認定試験は、Java言語に関する知識やプログラミングスキルを客観的に評価する民間資格です。文法やクラス設計の基礎だけでなく、アルゴリズムやオブジェクト指向といった応用的な内容も問われるため、開発現場で即戦力として働くための技術力を証明できます。
WebアプリやAndroidアプリ開発に携わりたい方には相性が良く、企業の採用担当にも理解されやすい資格として評価されています。
中小企業の求人を探す
大手企業では年齢や経験重視の傾向がありますが、中小企業は人材育成に積極的なケースも多く、未経験者も採用されやすいと言われています。30代での未経験転職は、実務経験よりもポテンシャルや学習意欲が重視される場合があり、面接でも「将来性」を評価されやすいのが特徴です。
自社開発企業やベンチャー企業の中には、教育体制が整っているところもあるため、企業選びの際には「研修制度」や「社内OJTの有無」もチェックするのが良いでしょう。即戦力ではなくとも、将来の成長を見越して採用する企業を狙うのがポイントです。
面接対策をしておく
IT未経験者が面接で評価されるためには、自己分析を徹底し、IT業界に対する理解と熱意を明確に伝える準備が必要です。30代の場合、前職で培った経験をどのようにIT分野に活かせるかを論理的に説明する力が求められます。
また、応募する職種に応じて最低限の専門用語や業務理解を持っておくことが望まれます。実際の面接では「なぜIT業界を目指すのか」「今後どのようなキャリアを築きたいか」などが頻繁に問われるため、対策しておくことをおすすめします。
年収や待遇などの条件を高く設定しない
30代であっても未経験での転職の場合、最初から高待遇を求めすぎると採用のハードルが上がってしまいます。企業側は教育コストも見越して採用するため、まずはスタートラインに立つ意識を持ちましょう。
年収よりも「どれだけスキルを伸ばせる環境か」「実務経験を積めるか」に重点を置いた求人選びが大切です。経験を積み、社内での評価やキャリアアップを重ねることで、将来的には年収を上げることも十分に可能です。転職をする際は、条件よりも成長環境を重視して企業を選ぶのが良いでしょう。
転職エージェントを活用する
未経験からの転職は転職エージェントを活用することで、自分の希望やスキルに合った求人を効率よく見つけられます。転職エージェントは書類添削・面接対策・企業との調整まで幅広くサポートしてくれるため、未経験30代にとっては心強い味方になります。
IT未経験の30代でも転職を成功させるならユニゾンキャリアにお任せ！
IT業界未経験の30代が転職を成功させるためには、業界に特化したサポートを受けることが非常に重要です。ユニゾンキャリアは、未経験からエンジニアやIT職種への転職を目指す方に特化した転職支援サービスを展開しています。
IT・Web・ゲーム業界専門に強い転職・就活アドバイザーがキャリア面談や実務に即した学習サポート、企業とのマッチングまで一貫してフォローしてくれます。無料でスクールも受講でき、元エンジニアの講師がサポートしてくれるため、効率的に知識を身につけられるのが魅力です。IT業界に挑戦したい30代にとって、ユニゾンキャリアは非常に心強いパートナーとなるでしょう。
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まとめ
この記事では、IT未経験の30代の転職は厳しいのか、転職を成功させるためのポイントなどを解説しました。
30代でIT未経験からの転職は、決して不可能ではありません。転職を成功させるためには、将来のキャリアプランを見据えた職種選びやスキル習得、資格取得などが重要です。また、希望条件を見直し、中小企業の求人にも目を向けることがポイントです。
転職エージェントの活用も効果的で、サポートが手厚い「ユニゾンキャリア」を利用すれば、スムーズなキャリアチェンジが実現できます。この記事を参考に、IT業界への転職を成功させましょう。
