SIerはやめとけといわれる理由とは?SIerのデメリットやメリット・大手のSIerに就職・転職する方法などを解説

「SIerはやめとけ」という声を耳にしたことがある方も多いかもしれません。そんなネガティブな評判がある一方で、「大手なら安定しているのでは?」「実際にどこが問題なのか知りたい」と思う方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「SIerはやめとけといわれる理由とは?」を解説します。あわせて、SIerのメリット・デメリットや、大手SIerへの就職・転職方法も紹介します。

この記事を読めば、SIer業界の実態を理解できるので、転職やキャリア選択に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

吉田 学
監修者
株式会社STAR AI 代表取締役
吉田 学

早稲田大学大学院修了後、日本電信電話株式会社の先端技術総合研究所に入社、データサイエンス領域でR&Dに従事。NTTドコモでECサービスの企画・開発およびデータドリブンのデジタル戦略にてトップライン向上に貢献。アクセンチュアのStrategy&Consulting部門のManagerとして大手クライアントのDX推進をリード、これまで50件以上のAIプロジェクトを経験。

菊地拓也
監修者
フリーランスエンジニア
菊地拓也

1995年生まれ、埼玉県出身。
株式会社サイバーエージェントにて、スマホゲームアプリ『青鬼』の開発プロジェクトに従事。企画立案から実装までを主導。「Apple Storeアプリ人気ランキング1位」を獲得する。

目次

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SIerとは

SIer(エスアイヤー)とは、システムインテグレーターの略称です。SIerは企業の業務課題を解決するためにITシステムを企画・設計・開発・運用まで一括で請け負う企業のことです。主に、顧客企業の要望に応じて、最適なハードウェアやソフトウェアを組み合わせたシステムを構築し、業務効率化やDX推進を支援します。

SIerには、メーカー系・ユーザー系・独立系などの分類があり、それぞれ得意分野や関与の深さが異なります。多くのSIerは顧客企業のIT部門に代わり、外部パートナーとしてプロジェクトを遂行する存在です。働き方はクライアント先常駐や下請け構造に左右されやすく、キャリアパスは営業・PM・技術職などに分かれるのが一般的です。

SIerはやめとけ・腐ってるといわれる理由

SIer業界はITインフラを支える重要な存在ですが、その働き方や体制に対してネガティブな声も少なくありません。ブラックな環境やキャリアの限界など、やめとけといわれる背景には複数の問題が存在します。

ここでは、SIerはやめとけ・腐ってるといわれる理由を9つ紹介します。

ブラックな企業が多いと思われている

SIerには多重下請け構造が残る企業も多く、プロジェクトの進行に無理が生じやすい環境にあります。上流企業の指示に従いながら厳しい納期に対応する必要があり、労働環境が悪化するケースも少なくありません。

また、現場の裁量が小さい企業では、改善提案も通りにくく、やりがいを感じにくい点がブラックといわれる一因になっています。特に、中小企業のSIerは、上司や顧客からの圧力が強く、精神的な負担が蓄積しやすい傾向もあります。

繁忙期の残業が常態化しているケースも見受けられる点が、ブラック企業が多いと思われている理由の1つです。

業績が安定しない企業がある

SIerの中には、特定の大手クライアントへの依存度が高い企業もあります。そのため、案件の有無や景気の動向によって売上が不安定になりやすいです。中小企業の独立系SIerでは、1つの大型案件に業績が左右されるリスクもあり、将来性に不安を感じて転職を考える人もいます。

また、再委託や受託金額の低さによって利益率が低く、経営基盤が脆弱な企業も少なくありません。このような業績が安定しない企業がある点が、長期的なキャリア形成に不安を抱える要因になっています。

納期が厳しくて長時間労働になりやすい

SIerの現場では、クライアントとの契約上、納期が厳密に設定されることが多く、スケジュール通りに進まないとそのしわ寄せが現場に集中します。その結果、トラブル対応や進捗遅れを取り戻すために残業や休日出勤が発生し、長時間労働になりがちです。

プロジェクトによっては、過酷な状況が常態化することもあります。慢性的な人手不足や無理な工程管理も影響し、ワークライフバランスが崩れやすい点が大きな課題です。プライベートを犠牲にする働き方が続く人も少なくないため、体調を崩したり、メンタルヘルスに支障をきたしたりする人が出ることもあります。

給与が低い

SIer業界では、給与水準が必ずしも高いとは言えません。特に、中小企業のSIerや下請けポジションが多い企業では、利益率の低さから人件費に十分な投資ができないケースも見られます。経験を積んでも給与が思うように上がらず、他業界と比較して待遇に不満を感じる人も少なくありません。

また、成果が給与に反映されにくい企業も多く、モチベーションの維持が難しいのが現状です。昇給スピードが遅い点も、転職理由としてよく挙げられます。優秀な人材ほど見切りをつけて離れていくため、人材の定着にも課題があります。

SIer業界の給与や年収をより詳しく知りたい人は以下もあわせてご覧ください。

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離職率が高い

過酷な労働環境やキャリアの閉塞感などから、SIerは離職率が高いとされる業界です。特に、若手のうちは雑務や客先常駐が多く、やりたい仕事ができないことでモチベーションを失うケースもあります。将来性やスキルの伸びに疑問を感じ、他業種への転職を考える人も少なくありません。

また、社内教育やメンター制度が十分でない企業では新人の早期離職も目立つうえ、現場任せのOJT体制が多く、不安を感じながら働く人も多くいます。採用コストの無駄や組織力の低下にもつながり、企業としても大きな痛手です。

スキルアップに繋がりにくい

SIerでは、要件定義や調整業務が中心になりやすく、実際の開発や設計を外部に委託しているケースも多くあります。そのため、エンジニアとしての技術スキルが伸びにくい欠点があります。

技術志向の人にとっては、業務の内容が物足りなく、成長の実感が持てないと感じることがあります。若手はドキュメント作成やテスト業務ばかりになることも多く、専門性の高いスキルを身につけるまでに時間がかかる点が課題です。主体的に学ばないと、いつまでも下流工程から抜け出せない恐れもあります。

客先常駐がストレス

客先常駐は、SIerに多く見られる働き方の1つであり、配属先の企業文化や職場環境に合わせる必要があります。自社ではなく顧客のルールに従って働くため、孤独感やストレスを感じやすいのが欠点の1つです。

チームとしての一体感も生まれにくく、居場所のなさを感じる人もいるかもしれません。また、異動や契約の都合で職場が頻繁に変わるケースもあり、長期的な人間関係の構築が難しいと感じる人も少なくありません。こういった面からも評価や育成の対象になりにくく、帰属意識が持てないまま働く人も多いです。

営業ではノルマが設けられる場合がある

SIerの営業職では、プロジェクトの受注件数や売上目標など、明確なノルマが課されることがあります。取引先との関係性や市場環境によっては、目標達成が難しく、強いプレッシャーを感じることもあります。

予算未達が続くと評価や待遇に直結するため、精神的負担が大きくなりがちです。成果が数値化されやすい営業職は、職場の雰囲気がピリピリする傾向もあり、心身に負荷がかかることがあります。さらに、無理な受注を迫られる場合もあり、倫理的ジレンマに苦しむ人もいます。時には上司からの圧力で、断れない状況に陥ることもあるでしょう。

成果報酬型の給与システム

一部のSIerでは成果主義を導入しており、給与が成果に大きく連動するケースもあります。高いパフォーマンスを上げた場合には報酬に反映されますが、安定収入を望む人にとっては不向きです。成果評価の基準が曖昧な企業もあり、不公平感を抱く原因にもなっています。

特に、属人的な評価体制の企業では、実力より上司の印象や社内政治で待遇が左右されることもあり、不満を感じる可能性が高いでしょう。安定志向の人にとっては、精神的な負担が大きい制度です。賞与の変動幅が大きく、生活設計に支障をきたすこともあります。

SIerのデメリット

SIerは安定性や顧客基盤の強さなどの魅力もありますが、その一方で働き方や成長機会に関して、注意すべきデメリットも存在します。将来のキャリアに影響を与えるため、事前に確認しておくことが大切です。

ここでは、SIerのデメリットを3つ紹介します。

スキルを身につけにくい

SIerでは上流工程やマネジメントに特化する傾向があり、実際の設計・開発を協力会社に任せることも多いため、技術的なスキルが習得しづらい環境にあります。また、若手社員は資料作成や調整業務を中心に任されることも多く、手を動かす経験が不足しがちです。

成長実感を得にくく、エンジニアとしての専門性を高めたい人にとっては不満を感じやすい点といえます。さらに、自発的に学ばないとスキルが蓄積されにくく、転職時の武器にならないこともあります。

職場環境が悪いことがある

SIerには客先常駐の文化が根強く、勤務先が頻繁に変わったり、自社の社員と顔を合わせる機会が少なかったりする職場も存在します。そのため、孤独感や精神的ストレスを感じやすいです。

また、配属先の人間関係や労働環境に左右されるため、ブラックな現場に当たると改善が難しいこともあります。柔軟な働き方や心理的安全性を重視する人にとっては、不満を感じる要素になるでしょう。配属ガチャといわれるように、働きやすさは運任せになる面も否定できません。

最新の技術を役立てる機会が限られる

SIerの多くは大手企業や官公庁向けのシステムを扱うため、保守性や安定性が重視され、使用する技術も枯れたものになりがちです。新しい技術やフレームワークに触れる機会が少なく、最新の開発動向に乗り遅れる懸念があります。

技術志向が強いエンジニアにとっては物足りなさを感じやすく、市場価値を高めにくい点がデメリットです。自己研鑽を怠ると、気づかぬうちにスキルが時代遅れになるリスクもあります。

SIerなどのIT業界はやめとけといわれる理由をより詳しく知りたい人は以下もあわせてご覧ください。

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SIerのメリット

ネガティブな印象を持たれがちなSIer業界ですが、安定性や社会的意義のある業務、成長性などを含めて、ポジティブな側面もあります。

ここでは、SIerのメリットを9つ紹介します。

仕事が安定している

SIerは官公庁や大手企業など、安定したクライアントとの取引が中心となるため、景気の影響を受けにくく、仕事が継続的に発生します。インフラ系や基幹システムの保守・運用案件は、長期契約となることも多く、急な案件終了に悩まされにくい点が魅力です。

また、技術職だけでなく営業やPMなど多様な職種があり、社内での異動によって柔軟なキャリア形成ができる場合もあります。SIerはIT業界の中でも、比較的雇用が安定しており、収入や生活設計の見通しが立てやすい業種です。

社会貢献ができる

SIerは、企業や自治体のITインフラや業務システムを支える役割を担っています。病院の予約システムや官公庁の手続き支援など、生活の基盤となる仕組みを裏から支える仕事も多くあります。そのため、社会的意義の高い業務に携われるのがメリットです。

利用者の利便性向上や企業の効率化に貢献できるため、自分の仕事が誰かの役に立っているという実感を得やすいのも特徴です。単なる技術提供にとどまらず、社会の仕組みそのものをITで支える使命感を持って働ける点が、大きなやりがいにつながります。

大規模なプロジェクトに携われる可能性がある

SIerでは、大手企業や行政機関と連携する大規模案件に関わる機会があります。多くの関係者が参加するプロジェクトの中で、全体を俯瞰しながら動く経験は、他では得られない貴重な財産となります。

一部の業務に限らずシステム全体の構成や運用、課題解決に関わるため、幅広い視点や高度なマネジメント力を身に着けることが可能です。また、プロジェクトを完遂した際の達成感も大きく、自信や次のキャリアにもつなげられます。

成長性が期待できる業界である

IT業界全体が右肩上がりに成長を続ける中、SIerもデジタル化・DX推進の波に乗って多くの需要を集めています。特に、公共分野や医療、金融といったIT導入が進む領域では、今後も安定した成長が見込まれています。

近年、クラウドやAI、セキュリティといった新領域に進出する企業も増え、スキルアップの機会が多様化してきました。業界の広がりとともに、個人の成長にもつながりやすい点が魅力です。IT業界で長くキャリアを築きたいと考える人にとって、将来性のある職場環境が整っています。

自由度が高い

企業によってはリモートワークやフレックスタイム制を導入しており、比較的柔軟な働き方がしやすい点も魅力です。プロジェクト単位で動く体制が多いため、自分の裁量でスケジュールやタスクを管理できる場面も少なくありません。

働き方の多様化が進むなか、ワークライフバランスを重視する人にとっても魅力的な選択肢です。一部の企業では副業や社外活動も認められており、より多様な働き方が実現できる環境も整いつつあります。

他の業界とも携われる

SIerの強みの1つは、幅広い業界のクライアントと関われることです。医療・金融・製造・物流など、業界ごとに異なる業務知識を身につけられるため、キャリアの幅を広げられます。

システム導入を通じて業務改善をサポートする中で、IT以外の業界知識も自然と蓄積されていきます。結果として、将来的に業界特化型のエキスパートやコンサルタントを目指す道も開けるでしょう。多様な業界の人と関わることで、柔軟な思考力や対応力も自然と磨かれていきます。

タスクの管理スキルが身に付く

SIerでは複数の案件を並行して進めることも多く、スケジュールや進捗を把握しながら動くスキルが自然と養われます。上流工程やPM業務に関わるようになると、チーム全体の進行を管理する能力が求められるため、実践的なマネジメント力が磨かれます。

業務を通じて得た管理スキルは、将来的なキャリアアップや転職でも高く評価される資産です。個人の業務効率だけでなく、チーム全体の生産性向上にも貢献できる人材を目指せます。

社外での人脈形成ができる

SIerでは、クライアント企業や協力会社、パートナー企業など、社外の人と関わる機会が多くあります。そのため、自然と幅広い人脈を築けます。

人脈は将来的な転職や独立にも活きる重要な資産です。仕事を通じて信頼関係を築いた人との再会が、新たなビジネスチャンスを生むこともあります。人付き合いが得意な人には特に向いている環境です。交流の幅が広がることで、多様な視点や考え方に触れ、自身の成長にもつながります。

実績を出せば出すほど昇進できる可能性が高い

SIerでは、プロジェクトの成功や売上への貢献といった成果が明確に評価される傾向があります。そのため、着実に実績を積み上げれば、年齢に関係なく昇進・昇給のチャンスをつかめます。

努力が報われやすい環境で働きたい方には適している職場です。また、スキル習得の場として「プログラマカレッジ」などのスクールを活用すれば、業界未経験からでも評価される土台を築けます。

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SIerに向いている人の特徴

SIerはプロジェクト単位でチームと連携しながら仕事を進めるため、コミュニケーション能力の高い人に向いています。また、クライアントの要望をくみ取り、要件を整理・提案する力も求められるため、調整力や論理的思考がある人にも適しているでしょう。

スケジュール管理やタスクの優先順位を自分で判断する場面も多く、自己管理が得意な人ほど活躍しやすい傾向にあります。さらに、ITの基礎知識があり、コツコツと業務を進められる堅実さも重要な素質です。

変化の大きい業界ではありますが、安定した環境でじっくりキャリアを積みたい人には相性の良い職種です。自分の役割を理解し、周囲と協力しながら着実に成果を出していける人にとっては、大きなやりがいを感じられる職場環境となっています。将来は、マネジメント職や上流工程へのキャリアアップも十分に目指せるため、キャリアアップを視野に入れている方にも適しています。

SIerに向いていない人の特徴

SIerでは顧客対応や社内外の調整が多く発生するため、人と関わる業務が苦手な人にはストレスを感じやすい環境です。「すぐに最先端の技術に触れたい」「スピード感を持って開発を進めたい」と考える技術志向の強い人にとっては、やや物足りなさを感じることもあります。

ルーチンワークや下流工程が中心となる期間もあるため、常に新しいことに挑戦したいというタイプには不向きです。さらに、環境の変化や柔軟な対応を求められる場面が多いため、変化を嫌う人やマイペースに働きたい人はストレスを感じるかもしれません。

SIerを目指す際は、自分の価値観と業務内容が合っているかの見極めが大切です。また、指示待ち型の人や自分で物事を進めるのが苦手な人には、適応が難しいケースも見受けられ変化を前向きにとらえ、行動に移せる姿勢が求められる仕事です。

新卒・未経験からSIerになる場合のポイント

新卒や未経験からSIerを目指すなら、業界構造や企業ごとの特性を理解し、志望動機を明確にすることが重要です。将来のキャリアに直結するため、SIerの種類ごとの違いを把握する必要があります。

ここでは、新卒・未経験からSIerになる場合のポイントを8つ紹介します。

携わりたいSIerの種類を明確にしておく

一口にSIerといっても、ユーザー系・メーカー系・外資系・コンサル系・独立系など、分類によって業務内容や立ち位置が大きく異なります。それぞれの特徴を理解し、自分の志向に合った系統を選ぶことで、ミスマッチを防ぎやすくなります。

特に、未経験者は業務イメージを持つことで選考対策もしやすくなります。SIerの種類をより詳しくみていきましょう。

ユーザー系

ユーザー系SIerは、親会社が一般企業(銀行・通信会社・電力会社など)であり、そのグループ内のシステム開発や運用を担う企業です。親会社の安定した経営基盤のもと、比較的落ち着いた環境で働ける点が魅力です。

また、自社グループ向けの開発が中心になるため、納期に追われすぎず、計画的に仕事が進めやすい傾向にあります。働き方も比較的安定しており、福利厚生や残業管理がしっかりしている企業が多いです。

そのため、技術よりも安定志向や事務系スキル重視の人に適しています。現場の雰囲気も穏やかなことが多く、長期的に働きやすい環境が整っています。

メーカー系

メーカー系SIerは、親会社がIT機器メーカー(富士通・NEC・日立など)で、その製品を活用したシステム提供をすすめる企業です。ハードウェアとソフトウェアの両面に関わる機会が多く、幅広い技術に触れられる点が魅力です。

一方で、親会社の製品や方針に強く依存する傾向があるため、業務の自由度が低いと感じることもあります。大規模案件や公共インフラに携わるチャンスも多く、社会的なインパクトの大きい仕事に関わりたい人におすすめです。安定と技術を両立したい人にとっては理想的な環境です。

外資系

外資系SIerは、海外資本の企業でグローバルな案件や最新技術に触れるチャンスが豊富です。英語力や高い成果を求められる環境ではありますが、年齢や年功に関係なく実力で評価されやすい点が特徴です。プロジェクトごとに業務内容が変わることが多く、柔軟性や適応力が求められます。

給与水準が高い傾向にある一方、成果主義の文化が強く、業績に応じて評価が大きく上下する点には注意が必要です。そのため、スピード感のある環境で実力を試したい方に適しています。個人の裁量が大きく、早期に責任ある仕事を任されるケースも珍しくありません。

コンサル系

コンサル系SIerは、経営戦略や業務改革の提案を通じて、システム開発までを一貫して担う企業です。上流工程を重視するため、論理的思考力やプレゼン能力が求められます。

IT知識だけでなく、業界知識や業務理解も重要になるため、幅広い学習が必要です。クライアントの課題を発見し、最適なソリューションを提供するやりがいがあり、若手のうちから大きな責任を任される場面も少なくありません。難易度は高いですが、成長志向が強い人には魅力的な環境です。将来はITコンサルタントやプロジェクトリーダーを目指す道も開けます。

独立系

独立系SIerは、親会社を持たない独立したIT企業で、顧客の業界やシステムに制約されず多様な案件に関われるのが特徴です。技術の幅を広げたい人や、複数業界の知見を得たい人にとっては好環境です。

一方で、下請けや多重請負構造の中で働くこともあり、待遇や労働環境には差が出やすい点に注意が必要です。プロジェクトによって働き方が大きく変わることもあるため、柔軟に対応できる力が求められます。

独立系のSIerは中小企業が多いため、社内制度や教育体制にバラつきがある点も理解することが重要です。実力次第で裁量を持てる場面も多く、チャレンジ精神がある人には向いています。

会社の規模をチェックしておく

企業の規模によって、関われる案件の種類や働き方、教育体制に違いがあります。大手SIerであれば大規模案件や安定した福利厚生が期待できますが、分業化が進んでおり裁量は限定される傾向があります。

一方、中小企業では幅広い業務を経験できるメリットがあるものの、教育制度や労働環境には差が出やすい点に注意が必要です。自身の成長スタイルに合った規模感を見極めることが重要であり、経営基盤の安定性や研修制度の充実度も比較材料として有効です。

何次請けなのかチェックしておく

SIer業界は多重下請け構造になっていることが多く、何次請けにあたるかで仕事内容や待遇が大きく変わります。一次請けは顧客と直接取引するため、裁量ややりがいが大きく、スキルアップにもつながりやすいです。

反対に二次請け・三次請けになると、単純作業や指示通りの業務が中心となることが多く、キャリアの幅が狭まりやすくなります。案件ごとの契約関係を見れば、自社の立ち位置も把握しやすくなります。

自社サービスを展開しているかチェックしておく

受託開発だけでなく、自社サービスを展開しているSIerは、技術力や独自性が高い傾向にあります。なかでも、プロダクト志向の企業では、サービスの企画や改善に関わる機会もあり、自分のアイデアを形にできる可能性が広がります。

また、自社サービスがある企業は利益構造が安定しやすく、業績にも良い影響を与えやすいのが特徴です。サービス開発に関心がある人には、大きなやりがいを得られる環境です。

スキルを活かせる業務内容かどうかチェックしておく

企業ごとに取り扱うシステムや工程が異なるため、自分の強みや習得したスキルが活かせる業務内容かを事前に確認することが大切です。たとえば開発スキルを活かしたい人が調整業務中心の職場に入ると、ミスマッチが生じやすくなります。

募集要項や社員インタビューから、実際に求められる役割を見極める必要があります。希望の技術領域や担当フェーズと合致するかも見逃せません。将来のキャリア像と一致しているかも確認しておくのがおすすめです。

新しい技術を取り入れる姿勢があるかチェックしておく

技術進化の早いIT業界では、常に最新技術を学ぶ意識が求められます。企業によっては古い技術に依存しており、時代遅れの環境でスキルが伸び悩むこともあります。勉強会の開催、研修制度の充実、モダンな開発環境の導入状況などをチェックし、自身の成長につながるかどうかを判断しておくと安心です。

新技術への投資姿勢や、現場のアップデート頻度にも注目するのもおすすめです。エンジニアにとって技術の鮮度は重要な評価指標になります。

正社員の年齢層をチェックしておく

社員の年齢構成を見ることで、職場の雰囲気や成長環境をイメージしやすくなります。若手が多い会社ではチャレンジを歓迎する風土がある一方、ベテラン中心の場合は安定志向や伝統的な社風が根付いていることもあります。

年齢層の偏りが強い企業は、人材育成や継承がうまくいっていない可能性もあるため要注意です。世代間の交流やコミュニケーションの取りやすさも確認するのがおすすめです。若手とベテランのバランスが取れている職場は働きやすさにつながります。

キャリアパスや福利厚生をチェックしておく

長く働くうえで、将来のキャリアステップや待遇の充実度は非常に重要です。昇進制度の明確さや、社内異動の柔軟性があるかどうかを確認しておくと安心です。住宅手当や資格支援制度、育児休暇など福利厚生が整っている企業は、働きやすさの面でも安心できます。

また、社員の定着率や制度の実績も併せて確認すると安心です。福利厚生は企業文化を知る指標の1つとしても役立ちます。

大手のSIerに就職・転職する方法

大手SIerを目指すなら、企業研究や業界理解を深めたうえで、志望動機や自己PRを明確にすることが重要です。実務経験がない場合でも、基礎スキルを習得し、ポートフォリオや学習履歴を提示できれば十分に評価されます。

また、面接対策や書類のブラッシュアップも成功の鍵を握ります。未経験からの挑戦には、無料で学べる「プログラマカレッジ」の活用も効果的です。プログラマカレッジのような未経験者向けの環境で学べば、その成長が一層スムーズになります。

上記のような特徴に当てはまる人は、未経験からでもプログラマーに挑戦する価値が大いにあります。プログラマカレッジでは、手厚いサポートを受けながら無料でIT業界への一歩を踏み出せるため、気になる方はオンライン説明会への参加を検討してみてください。

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まとめ

この記事では、「SIerはやめとけといわれる理由とは?」について解説しました。

SIerのデメリットや向いていない人の特徴だけでなく、メリットや向いている人の特徴、大手SIerへの就職方法まで幅広く紹介しました。現場で求められるスキルや働き方の実態も具体的に整理しています。

また、転職や就職活動を始める前の情報整理にも役立ちます。この記事を参考に、自分に合ったキャリア選択を見極め、納得のいく進路を選びましょう。

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この記事を書いた人

川本 裕太のアバター 川本 裕太 UPSTART株式会社 代表取締役

はじめまして、アプデの運営会社、UPSTART株式会社代表の川本です。私は常に劣等感を抱いて社会人生活を過ごしていました。営業成績は下、上司に怒られる毎日。情けなく、悔しくて涙した日々も少なくありませんでした。そのような経験から「周りに追いつき、追い越し、人生を変えてやる」という想いで起業し、「アプデ」という情報メディアを立ち上げました。アプデの情報を見て、人生が少しでも良い方向に変わったらこれほど嬉しいことはありません。